「たしか私とあなたは同じ年令(42才)なのに、どうしてそれほどあなたは元気で若々しいのですか。最近僕はすぐに疲れるようになってしまった。なにか秘訣があれば教えてほしい。」とフジテレビの軽部アナウンサー。聞かれたトム・クルーズは、両手を握りしめ、ガッツポーズを作りながら、
「僕は人生を生きる意欲が強いから」
と明るく答えた。きっとトムにはあって、軽部氏に不足しているのは夢ではなかろうか。
経営者も未来に対する意欲を強くもとう。
どのような会社を作りたいのか、どのような経営者になりたいのか、その像をありありとイメージできるようになるまで夢を具体化しよう。
「よし、やるぞ」と気合を入れてフトンをけ飛ばし、さっそうと出社し、精力的に仕事をしよう。
とくに大切なことは、目の前の現実に勝利することだ。それは利益を出すことであり、現金収支をプラス勘定にすることが何よりも先決課題となる。そのことに強い意欲をたぎらせよう。
それなくして次はない。
経営者に毎日お会いするということを職業にして通算で20年になるが、この間で経営者が多数世代交代した。中小企業における、社長のの平均在任年数が30年だとしても過半数の企業で経営陣が入れ替わったことになる。
この世代交代を通して、お金と利益に対する意欲が確実に乏しくなってきているように思う。
戦争、食糧難、住宅難、など生存に関する困難を受けてきた前世代(団塊以前)と、団塊以後、団塊ジュニアの世代など、あきらかに違う。
お金がそれほど欲しいのでもない。良い生活をしたいのでもない。欲しいものがそんなにあるわけでもない。
なぜなら今、すでに充分に幸せなのだ。だから儲けはホドホドで良い、という若手経営者がいる。
だが、経営者はいつもハングリーさを持たねばならない。ハングリーの内容を、金銭や金額から、質や貢献など無形のものに変えていこう。その原資が資金であり、資金力は利益から生まれる。利益が乏しい会社では、永久に資金力が強くならない。
「赤字でも上場できて資金を集められる」と反論する人がいるかも知れないが、それは一時的な出来事だ。
利益を上げることに大義名分をもとう。なぜ利益を求めるのかを社員にもわかりやすく語ろう。
利益を求める動機は何かだ。
<利益を求める動機>
・収入を確保し、生活を安定させるという動機
・多少のことがあってもビクともしない資金力を蓄えたいという動機
・平均以上の収益性、安定性、成長性を誇る会社法人を作ろうという動機
・実現したい将来の何かに向かって資金力をつけよう、という動機
・利益そのものを社会や株主に還元したいという動機
・・・etc.
あなたが、なぜ今の利益目標を設定したのかを社員に堂々と語れるようになろう。